高級ヘッドホンはいくらから？オレ「3万から」

昨今の（某ウイルスによる）ひきこもりブームによりポータブルだけでなく、据え置きでのオーディオにこだわりを持ち始める方が増えている。

ポータブルではイヤホンが人気だが、せっかくの据え置きならヘッドホンやスピーカーで聴きたいところだ。

しかし、スピーカーは日本の住宅環境ではなかなか難しく、選ばれし人間しか十分に堪能することはできない。

なので、オレはヘッドホン、その中でも所謂高級ヘッドホンと呼ばれるお高めのヘッドホンをおすすめしたい。

とはいえ、「高級ヘッドホンっていくらからが高級ヘッドホンなのか？」「今どきコスパの良いヘッドホンはゴロゴロあるのに高級ヘッドホンを買う意味あるの？」という疑問もあるだろうし、高級ヘッドホンの中にも価格はピンきりなので、ある程度の指標を示した上で、おすすめの機種を紹介したいと思う。

高級ヘッドホンは3万円から選ぶべし！

通常、ヘッドホンは数千円から1万円程度のものが主流である。各ヘッドホンメーカーのエントリーモデルもだいたいがそれくらいの価格だ。

しかし、3万円を超えてくると、各メーカーそれぞれの技術が詰め込まれたヘッドホンになっていき、各メーカーそれぞれの味付け、音の方向性のようなものが見えてくる。

なので、高級ヘッドホンはいくらからかと問われれば3万円を超えたものから選んだほうがいいのである（ただしワイヤレスは除く）。

違いはメーカーによっても異なるが、一般的には高級ヘッドホンのほうが当然音質が良い。解像度、表現力、臨場感、これらが優れている。

また、イヤパッドやヘッドパッド、ケーブル、プラグ、イヤカップなど各パーツに良いものを使用しているので一般ヘッドホンよりも寿命が長かったり、装着感が良いものが多いのだ。

つまり、一定水準のクオリティを保ちつつ、その上でメーカーによって音の傾向や装着感が異なるのだ。

音の傾向とは、低音と高音が強調される「ドンシャリ」なのか、中音が強調される「かまぼこ」なのか、低音から高音まで均一的な「フラット」なのかということだ。

では一定水準の音質とは何なのか、なぜ音質の違いが出てくるのか？

全てを鵜呑みにすることはできないが、音質が良いか悪いかは再生周波数帯域で確認することができる。

例えば、「PHILIPS TAH5255」という1万円程度のヘッドホンの再生周波数帯域は20Hz〜20kHzとなっている。

しかし、「PHILIPS Fidelio X3/00」という4万程度のヘッドホンの再生周波数帯域は5Hz〜40kHzとなっている。

すなわち、音質が良いヘッドホンというのは再生周波数帯域が広いのである。

ハイレゾ対応ヘッドホンと呼ばれるものも40kHz以上再生可能かどうかで判断される。なのでTAH5255はハイレゾ対応ではないが、Fidelio X3/00はハイレゾ対応ということだ。

もちろん、安くても再生周波数帯域が広いコスパの良いヘッドホンは無いわけではないが、最近発売された3万円以上の高級ヘッドホンならほとんどがハイレゾ対応しており、再生周波数帯域が広い。

前述の通り、高級ヘッドホンはケーブルやパーツなど耐久性の高いものを使用しているので、再生周波数帯域だけで判断するのはおすすめしない。

最後にオレがオススメするヘッドホンとヘッドホンアンプを紹介しよう。

再生周波数帯域が3Hz～100kHzとかなり広く、インピーダンスも16Ωなのでアンプ無しでも鳴らしやすい。

リケーブルモデルなので断線の心配もなく、ケーブルを変えて音の違いを楽しむこともできる。

定価は3万だが価格が下がって2万程度で買える。

圧倒的人気を誇っていたHD650の後継機。HD650は再生周波数帯域が10Hz〜39.5kHzだったが、HD660Sは10Hz〜41kHzとなり、ハイレゾ対応している。

また、HD650はインピーダンスが300Ωでパワーのあるアンプがないと鳴らせないのがネックだったが、HD660Sは半分の150Ωになっている。

アンプは必要だが、HD650よりも遥かに鳴らしやすくなっている。

良い高級ヘッドホンとは何か。それは曲の持つポテンシャルを引き出し、好きな曲をもっと好きになるきっかけを与えてくれるものである。

こんな音があったのか、こんな魅力があったのかと新たな価値を提供してくれるものだ。

このヘッドホンではこんな発見があった、じゃああのヘッドホンではどんな発見があるのだろう。

そういう体験を是非一度味わってみてほしい。

さあ、あなたもヘッドホン沼への一歩を踏み出そう！（暗黒微笑）